[P --燐光]  Eng
2008
拾ったもの,不要になったもの,建材
(鉄パイプ,コンクリート,糸,ワイヤー他)
7.7×6.3×2.3m(室内)
新世代への視点 2008,なびす画廊,東京 2008.07.28―08.09 撮影:山本糾/YAMAMOTO Tadasu


「P - 燐光」
単位としての人

世界に楽園はない
ましては、始まりも終わりもない

人間の切望する ユートピアは 私の身体を鈍らせ、目を曇らせる

様々な細胞の分裂からなる
進化の過程である人は
一生という時間を世界という言葉に代えようとする

人がどれだけの欲望を持ち どれだけ大きく動こうとも
一瞬という時間の長さにすらなることはない

地球の外側から、輪郭線としての 人と地のフォルムが見たい

科学と感情の揺らぎ 時を繋ぐ 作家自身の動きは
目の前の出来事と 決して見届けることの出来ない世界を
一生という言葉を借りて 私は大きく動く

ここでは、ある光の形 
ひとつの機会となればいい

利部志穂